今年を一文字で表すなら「会」。
このブログも、すっかり年に一度の更新になってしまいました。
毎年同じ書き出しになっている気もしますが、それだけ一年が早いということかもしれません。
今年を一文字で表すなら、「会」。
仕事をしていると「会う」こと自体は日常ですが、今年は特に意味のある出会いが多い一年でした。
これまで名前だけ知っていた人、タイミングが合わず接点を持てなかった人、今後の事業に直接・間接に影響を与えそうな人たちと、実際に会って話す機会が増えました。
経営の立場になると、情報はオンラインでも十分に集まります。
それでも最終的な判断材料になるのは、やはり対面で得られる温度感や価値観、言葉の裏にある考え方だったりします。
そういう意味で、今年は「経験値」というより、「判断精度」を高めるための出会いが多かった年だったと感じています。

一方で、得られた経験や関係性を、どこまで実利益や事業成長に結び付けられたかという点では、まだ課題も残っています。
出会いは目的ではなく手段です。
そこから何を仕組みに落とし込み、どう再現性を持たせるか。
この整理と実行が、来年以降のテーマになると考えています。
グループ各社を振り返ってみても、今年は「初めて」の意思決定が多い一年でした。
マジメにおいては、クライアントさんに対して、これまで慎重になりすぎていたSaaS導入を本格的に進めました。
結果として、一定の成果は出ています。
ただし、AIへの対応については、まだ十分とは言えません。
流行に乗ること自体が目的ではありませんが、「使わない理由」を探す段階はすでに終わっていると感じています。
今後の集客やマーケティングにおいても、従来のやり方を続けるだけでは、コストと成果のバランスが崩れていく可能性があります。
どこに投資し、どこを割り切るのか。
経営判断としての精度が、より問われるフェーズに入ってきました。
タレントリストにおいても、今年はいくつか大きな意思決定を行いました。
映像制作の分野では、これまで扱ってこなかったジャンルへのチャレンジを行い、社内的にも多くの学びを得ました。
その一方で、ある事業への投資判断については、結果として失敗だったと認めざるを得ません。
当初は市場性や将来性を評価し、リスクを取る価値があると判断して投資を行いましたが、実際に事業を進める中で、想定していたスピード感や収益構造を作ることができませんでした。
外部環境の変化だけでなく、自社の強みとその事業との相性を、十分に見極めきれていなかった点も反省点です。
投資した金額そのもの以上に、「経営リソースの配分」という意味で、学ぶべき点が多い失敗でした。
伸ばすべき事業に集中できていたか、撤退判断のタイミングは適切だったか。
結果論ではありますが、もう一段階早く判断できた可能性もあったと感じています。
ただ、この失敗を通じて、
「どの事業なら自分たちが勝ち切れるのか」
「どこから先は外部パートナーに委ねるべきなのか」
という線引きが、以前よりも明確になりました。
すべての投資が成功するわけではありません。
重要なのは、失敗をどれだけ早く認識し、次の意思決定にどう反映させるかだと思っています。
その意味では、痛みはありましたが、無駄にはならなかったと考えています。
札幌あさひ不動産では、約2年にわたる計画を経て、これまでで最も規模の大きな物件を建築中です。
構想段階から現在に至るまで判断の連続でしたが、ようやく形が見えるフェーズに入ってきました。
年明けにはリリース予定となっており、グループとしても一つの節目になるプロジェクトです。
この案件に関しては、関係者の皆さまの協力なしには成り立ちませんでした。
長期的な視点で同じ方向を向いていただけたことに、改めて感謝しています。
こうして振り返ると、今年は「拡大」よりも「基盤づくり」と「選別」に重きを置いた一年だったように思います。
やらないことを決める、引く判断をする、集中する領域を明確にする。
経営者としては、そうした判断の比重が確実に増えました。
来年も、やりたいこと、やるべきことは山ほどあります。
すべてを一度に進めることはできませんが、優先順位を誤らず、一つずつ積み上げていくしかありません。
今年得た出会い、成功、そして失敗を、どこまで事業として形にできるか。
それが次の一年の成果を左右すると思っています。
今年はこの辺で。


